森のようちえん

森のようちえんって?

森のようちえんは年間を通して自然環境の中で幼児教育や保育をする場の総称で“ようちえん”は、認可幼稚園だけでなく、託児所、学童保育、自主保育、自然学校、育児サークル、子育てサロン・ひろば等が含まれ、0歳から概ね7歳ぐらいまでの乳児・幼少期の子ども達が集団で活動する場を指しています。

1950年代中頃にデンマークの1人の母親が我が子のためにおこなった森での教育が北欧を中心に広がり、ドイツでは「Wald kindergarten」(ヴァルト・キンダーガルテン:Wald=森、Kindergarten=幼稚園)という名で、環境教育に熱心な両親のみならず、若者世代を取り込もうと懸命な環境行政や、発育への影響に関心を寄せる科学者からも大きな注目を集めているそうです。日本でも2005年から「森のようちえん」としてNPO法人や自然学校などで活動が始まり、2008年には『森のようちえん全国ネットワーク』が設立され、年々その活動は広がりを見せています。

「森のようちえん」のスタイルは様々ですが、共通していることは、自然の中で一日を過ごすということと、意図的に大人の考えを強要せず、子どもが持っている感覚や感性を信じて引き出すようなかかわり方を大切にしていることです

『森のようちえん全国ネットワーク』HP参照

 

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大切にしていること

自然の中で遊ぶ

木登りや水遊び、木の実探しやおままごとなど、一つとして同じものがない自然の中は遊びに溢れており、子どもたちの想像力や五感を最大限に引き出してくれます。また、予期せぬことが起きる自然環境は、自ら考えて行動する主体性や友達と協力する大切さを学ぶきっかけを与えてくれたり、平坦ではない地形は、バランス感覚や運動能力を育てます。さらに、花や虫など様々な生き物に触れることで、自分以外の存在を思いやる心が芽生えると考えています。

ありのままを受け止める

一緒に関わる大人は、子どもたちが何かができた時やできなかった時、転んでケガをした時やケンカした時などに、意図的に褒めたり諭したり叱ったりと『指導』するのではなく、できた喜び、できなかった悔しさ、ケガの痛み、ケンカの怒りなど、子どもたちの『いまここ』にある気持ちをありのまま受け止め、寄り添い『共感』することを心がけています。自分のありのままを受け止めてもらえる安心感は、同時に、他人のありのままを受け止めることにも繋がると考えています。

信じて待つ

大人から見ると、子どもは未熟で何もできない、分からないと思いがちですが、決してそんなことはありません。大人よりも時間はかかるけれど、それぞれ自分なりに考えて物事を成し遂げようとします。しかし時に大人は、時間を気にしたり、できないと決めつけて、つい手を出してしまったり、口で誘導してしまい、子どもの好奇心や考える時間を奪ってしまうことがあります。 私たちは、時間の許す限り、子どもたちがやろうとすることに手や口を出さず、信じて待つことを心がけています。時間がかかっても、自分で成し遂げた時の喜びは大きな自信に繋がり、出来なかった悔しさもまた大きな成長に繋がるのです。

食べること

月に一回、みんなが持ち寄った野菜や自家菜園で育てた野菜を使って、薪の火でお味噌汁やスープ、羽釜ごはんや自家製酵母パンなどを作ります。目の前に並んでいる食べものが、どのように育ち、どのように料理されて私たちの口に入るのかを知ることは、命を大切に想い、感謝して無駄なくいただくことに繋がると考えています。また、自然の中で思いっきり遊んだ後にみんなでいただくご飯は、豪華でなくても美味しくて、心も体も満たしてくれるのです。