基礎がくる場所を点圧したら(前回の記事にまとめています)、ビニールを一面に敷きます。これは湿気が上に上がってこないようにすためです。雨の多い屋久島では地面に大量水分が存在していて、基礎のセメントは水分を吸ってしまうので、このビニールを敷くことで基礎を長持ちさせ家の構造部に湿気が上がらないようにするためです。
そもそも、セメントやビニールで大地からのエネルギーを遮断する建築には強い違和感を感じていて、できれば屋久島の昔ながらの束石をつかう独立基礎でやりたいのですが、ここ平野集落は都市計画エリアで、建築法がそれを許さないのです。合法的に緩やかに革命を。都会でもセルフビルドはできる!ということを証明するために、現代のルールを守りながら革命的な建物を作っていこうと、ここの土地を購入するときに覚悟しました。でも、いつかは竪穴式住居、作りたいな〜。
いかんいかん。横道にそれはじめた。。。続けます。
基礎の鉄筋は300mm以内のピッチで組んでいかないと建築法で引っかかります。
基本は10mm径の鉄筋を使用しますが、基礎の立ち上がりがくる場所など要所要所に13mmの鉄筋を使用しないといけない箇所があるので注意が必要です。上図を参照してください。鉄筋と鉄筋は結束線というもので動かないように固定します。鉄筋と鉄筋を継ぐ時は、【40×鉄筋の径】以上の長さ分だけ重ねるようにと決まっています。
鉄筋をはわせ終わったら、いよいよ生コン会社に注文して生コンを運んでもらいます。只今、屋久島の生コン価格は税別で立米25,000円です。購入できるのは、熊毛生コンクリート株式会社(TEL:0997-46-3741)さんの1社のみです。
基礎作りは2段階。まずはベースを作って、立ち上がりを作ります。
島の友だち3人+ウーハー2人が手伝ってくれて、ベースの基礎打ちスタート!家づくりの中で一番、男たちのアドレナリンが出る作業かもしれません。ガツガツ生コンを一輪車でイノシシのように運んんでくるので、仕事を残しているとかなり焦ります。笑
今回、排水の塩ビ管を敷くのを忘れていて(一枚目の写真で横たわっているグレーの筒)、生コンを打ちながら鉄筋を浮かせて差し込むという強引な作業を残していたので、バタバタしました。無事、据えることはできましたが、勾配がうまく取れず後悔しています。
また、前回の家づくりの時、鉄筋が浮いていると生コンで重くなった一輪車がひっかかることが多くて、何度も通ったところの鉄筋が曲がって地面について、浮かしている意味がなくなってしまっていたので、鉄筋を浮かすためのサイコロ状の石を1.5m間隔ぐらいで配置するのは、今回は徐々に据えることに。これが、ばたついているとなかなか忘れがちになってしまいます。石入れだけを専門にやってくれる人がいるとかなり助かるなあと実感したので、次回は子どもにこの役を任せようと思っています。
あと、もう一つ困ったのは、立ち上がりの鉄筋が寝てしまって、ベースの中に埋没してしまうのは、どうしたものか。まだいいアイデアが浮かびませんが次回は改善したいところです。また、寝ている立ち上がりの鉄筋が一輪車で踏まれることで、結束線が切れ、ずれてしまうことが何箇所かあったので、たまにやり方の糸を張って芯に立ち上がりの鉄筋がしっかり乗っているか確認したいところですが、そんなことするとアドレナリンが出ている猛者たちの生コン運びの動きを止めてしまうことになるし、後からだとある程度、仕上げた生コンの表面をまた仕上げ直さないとなので、結構困りました。
基礎はやり直しがきかないので、段取り、下準備がかなり重要です。
とまあ、そんなバタバタ作業で、写真は全く撮る暇がなく、男祭りの写真は撮り損ねました。上の写真は、最後の仕上げをしてくれたミッちゃん。基礎打ちは一人では絶対できない仕事です。できるかもしれないけど、生コン車の運転手の人はきっと時間がかかりすぎて嫌がると思います。 手伝ってくれた仲間に感謝です。
ベースが打ち終わったら、コンクリートが硬くなる前に、立ち上がりの枠を支えるためのひっかかりを廃材で釘打ちします。今回は他の仕事ですぐに作業ができなかったので、釘は打っても入らず、一度コンクリートドリルで穴を開けてやることになりました。これがひと手間増えることになって時間を食われるので、ベースを打ってから3回内には釘打ち作業は終えたいところです。
基礎屋さんは、立ち上がり専用の板を持っていますが、自分はとてもそんな道具は買って保管することはできないので、杉板で自作しました。この作業、結構時間かかります。板をレンタルできるなら、その方がいいです。この枠材はうち壁の下地に再利用されます。
便利な道具の紹介です。これは鉄筋を切る道具。友達に借りました。これがあるとないとでは作業効率が天と地の差です。この道具は切ることも、鉄筋を曲げることもできるので、とても重宝します。欲しいところだけど、鉄筋以外には全く使えない道具で、しかもとても重いので、買うのは躊躇してしまいます。でも、欲しい〜。
これは、結束線をクルクル回して結束してくれる道具。これもまたとても時間を短縮してくれます。はじめは手でやっていたのですが、きつくバンドしにくいのと、指が切れてくるので、途中からペンチでやりましたが、時間がかかりすぎます。そんな僕を哀れに思えたのか、これまた友達が貸してくれました。調べるとこれはハッカーという道具で、安いもので800円ぐらい。これは買いだと思います。
家づくり、詳しいことはわかりませんがおもしろそうですね。
一輪車運びで汗をかいた後のビールがおいしそう