今年もバナナの花が咲き始めました。
5月5日といえば1年で最も慌ただしくガイドをしているシーズンですが、移住してはじめて朝露の美しさを感じとれる心の隙間がある静かな朝を迎えています。本来のヒトになれた気分です。
5年前から始まった森づくりも徐々に実りが豊かになってきています。アペルイの地は放棄されてから40年近く経っていた不耕作地でした。踏み入れることができないほど草と木がぎっしり繁茂していました。かつては照葉樹林の森だったと思います。その森を切り開いて農地にしたけれど、農産物をつくるより賃金労働者になった方がわりがいいとわかると、見放され、開拓者は鹿児島の町へ。
ここの森を 実り多き森に戻したい
そう思って始まった森づくり
現代の僕らは生きているだけでどこかの自然をどうしても壊してしまうけど、破壊しっぱなしでこの世を去るのは、なんだかとてもかっこ悪い。家族や親戚、仲間、お客さん。ヒトは人間が喜ぶことばかり夢中になって仕事を全うしようとするけれど、僕は地球のために何か一つでもいいことをして死んでいきたいなあと。
子孫が、食べものやエネルギーを他者や他国から奪わないでも豊かに生きていけるような森。
鳥や鹿、カエル、昆虫たちとも心地よく共存できるような森。
そんな森を何とか生きているうちに育みたいと思っています。
もともと生えていたヤマモモの実が今年も色づき始めてきました。
植えた木が大きくなるまでは、苗木のわきで野菜を育てています。毎年、玉ねぎは小さいです。地力の未熟さを玉ねぎの大きさで判断する人が多いですが、このサイズが僕にとっては身の丈に合ったサイズ。味は甘味があってとてもおいしいです。葉の部分もネギ顔負けのうまさです。スーパーの玉ねぎは肥満児ですね。
ミニトマトも実り出しました。
ストロベリーグァバの花が動き出してます。
毎年おちてしまうアーモンド、今年は食べられるかな。
タンカンだったかポンカンだったか。。もうどっちかわからなくなってしまった木。今年初めて花が咲きました。この冬にどっちか判明するのでワクワク。この小さい実、なんともかわいいです。
着々と増え続けるパイナップル君たち。今年も夏の楽しみが実ってくれています。
屋久島は夏にフルーツがあまり出回らないので、ブルーベリーさん、夏の喉の渇きを満たすほど実ってくださいね。
桃栗三年柿八年といいますが、五年目にして柿が初めて花を咲かせてくれました。初恋が成就したときの喜びに匹敵する感動です。
フェイジョアの花も今年初めての開花。
人の人生より長く生きる木たちのスピードはとてもゆっくりだから、人はただただ待つのみですね。人のペースに巻き込む森づくりではなく、地球のリズムに同調した森づくりがとても心地いいです。
きっと生きているうちに、僕の中で理想としている極相の森を見ることはできないと思いますが、その過程を楽しみながら、子どもたちに何かが伝わっていったら、その理想を超える森へと広がっていくのだろうと夢みています。
今日は、こどもの日。
アペルイの森と、未来の子どもたちへの想いの近況報告でした。
さあ、今日はネギの移植をしよう。