ヒカンザクラの新芽がひらき、スモモの花が咲き始めた屋久島。里は春があちこちで始まりだしてます。山岳はまだまだ冬の世界ですが。。
去年までは無関心だった雑草と呼ばれる野の草たちにも今年は注目しています。じわじわ草たちの活動が始まってきたなあ、と思った矢先に今日は夜明け前から低気圧通過にともなう大雨。これまでは冷たい冬の雨だったのが、今日の雨は気温もグッとあがって暖かい雨。南風が吹きつけ、雨にも春が混じりだしています。
そうなってくると、三寒四温。雨がしょっちゅう降り出すので、野焼きが厳しくなるなあと思い、低気圧が来る前の昨日、棚田の野焼きをしました。
ここの棚田はアペルイのフィールドから車で2分ほど。アペルイの敷地のおよそ4倍の4000坪の大きさがあります。ここで、家族とゲストハウスの自給の基盤を構築します。自給用のお米や野菜各種、販売用の雑穀、サツマイモなどを作付けする予定です。もちろんオーガニックで。
ここは30年前ぐらいまでは田んぼだった場所で、それ以降は牛を放っていたそうです。牛をやらなくなって何年経つのかわかりませんが、木が生えてないところを考えると数年前までは使われていたんじゃないかと思います。5年前のアペルイのフィールド開拓では、畑に直径20cmほどのクスノキやバリバリノキが生えていてかなり苦戦しましたが、今回は楽勝。草刈機1台でことがたりました。ただ面積がとても大きかったのと、ゲストハウスづくりと塩づくりの合間で行っていたので、正月から始めた草刈りは今までかかってしまいました。しかし、木の芽流しの春雨時期までに田んぼにする予定の敷地の草刈りが完了しホッとしています。
2019年1月7日に空撮。草刈りする前の状態です。白で囲った場所を今年、何とか田んぼにしたいなと思っています。およそ2反(600坪)。赤い点が僕で周りの白い点はヤギです。6頭のヤギたちが始めにほとんど草を食べてくれたので、草刈りがだいぶ楽でした。動物と共に生きる暮らしは豊かだなあ。ヤギ達は繊細は草だけを食べるので茎の太いダチクだけは残ってしまい、僕が担当することに。左下のダチクゾーンは密生具合が半端じゃなく、ヒートアップする草刈りタイムはなかなか楽しかったです。笑
まだまだ田んぼにできる敷地があるので、オーガニックのお米づくりに興味のある方、開拓魂を研ぎ澄ましたい方は、無料で土地をお貸しするので、是非一緒にやりましょう。
乾燥している草はよく燃えるのですが、生乾きのものはなかなか燃えてくれません。始めはよく燃えるのですが、ほっておくと中心部だけが燃えきり、周囲は燃え残ってしまうんです。しかし、普段焚き火をしている時のコツを思い出し、その後はうまくいきました。
そのコツとは、焚き火のオキを風から守り、温度を下げない工夫として、必ず少し地面を掘るという作業です。掘ると掘らないとでオキのたまり具合がかなり違ってきます。また、焚き火の火力が落ちると、蓋をするように木をぎっしり並べると熱がこもり、次第に火力が復活し再び火力が安定します。そのことを思い出し、草の山から炎が出だすと、そこから熱がどんどん逃げて行ってしまうだろうと予想して、湿った草を被せてみることに。熱が逃げるのを防ぐと同時に、湿った草をじわじわ乾かすというイメージでやっていると、しばらくして乾ききった草が燃えだしました。湿った草を乗せすぎると中に空気が入らず鎮火してしまったので、適量を乗せるのがコツで、その容量をつかむのが野焼きの楽しみだなあと。また一つ農的暮らしの楽しみが増えました。こんなやり方にしてからは、よく燃えてくれダチク以外は全てなくなりました。ダチクはまだ水分が多く乾燥が足りなかった感じです。
あと、もう一つ学びがありました。普段目には見えない空気の流れが野焼きをしていると煙で可視化でき、空気の動きが手にとるようにわかるんです。天気予報は、西高東低の気圧配置が崩れ、風が弱まり、明日から天気が崩れる予報。崩れる前触れで午後からは北風から南風に変わる予報でした。野焼きを始めた時が、ちょうどそのタイミングで、煙は南流れたり北に流れたり。後半は北に流れ続けたので、風が変わったと視覚的に実感。そして、17時ごろ気温が落ちてきたなあと思い始めたタイミングで、煙は東に向きを変えました。それ以降鎮火する19時までずっと東の空に煙はモクモクと。
この煙を東に運ぶ風の正体は西にそびえる山。冬の山岳の冷たい風が吹き下ろしてきたのだと思います。
70歳ぐらいまでには空気の流れを読める男に昇華したいものです。人間界の大人の空気を読めるような不自由な大人にはなりたくないけど。
さあ、これからは未知の水路づくりに取りかかります。